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親方の包丁

いま、この記事を読んでいるアナタ。

貴方は、プロな方ですか?

ここでいうプロとはアマチュアの逆すなわち

仕事をもち、その仕事のみで生きている人のことです。

もし、プロでない場合は、
今日ワタシが述べる話は、よくわからないかもしれません。
それを踏まえて、前へ進むか決めてください。

一流の料理亭には私はなかなか(よく考えると生まれてから一度も)
入店していないので、メディアからの情報のみとなるが

裏方の主戦場であるところの厨房は

塵ひとつごみひとつなく清潔に保たれ
整理整頓されている

これは整頓により仕事の効率と働く心の平静を整えることだったり、
清潔により、来店し、自分の作品を楽しんでいただくお客様の健康を
守ることだったりすることと理解できる。

さて、厨房には親方というその職場の長がかならずいる

親方は、厨房の長であり、厨房からでる作品のスベテの責任を任される。

そのため、さまざまな仕事を厨房内で行う。

自分の部下たちに的確な指示・指導を行ったり、
お客様におだしする作品の最終チェックをおこなったり、
お客の身勝手な要望に誠実・迅速に対応したり
おかみさん(フロント)連中と連絡したりおおわらわだ。

店が終わっても、
料理の研究をしたり、後進の教育指導をしたり、
明日の献立を立案したり、仕事はたくさんあるから、
他人に任すことができる仕事は、
信頼する部下や同僚に託したりするのだが
どんなに忙しくても疲れていても 人任せにせず 
必ず自分で行うことがある
それは一日の最後に、

「自分のつかう包丁を研ぐ」ことだ

前述したとおり、親方はたくさんの種類、
かつ高度な仕事をこなさなければならないのに、
一見 部下に任せられそうなこのことをナゼ自分自身で
おこなうのであろうか?

それは、料理人として
自分の「仕事」の源であるところの道具を
きちんと手入れすることによって
明日もまた100%自分の仕事をしきるための準備なのだ

その準備がきちんと成されていることを確認するため、
自分の手でおこない、自分の目でしっかり確認する

また、研ぎながら今日の仕事の出来を反芻している

「今日おだしした料理は、お客様にホントウに喜んでいただけただろうか」
「今日の献立や応対に問題はなかっただろうか」
「明日の準備に不足はないだろうか」

などアレコレ考えているのである。

そう、つまり「研いで」いるのは「鋼の刃」ではない
「料理職人としての心」を毎日研いでいるのである。

その「おやじの背中をみて」花板も同じことをするし
包丁を握ることを許されない小僧まで
それに類することをいわれなくてもやるのである。

冒頭で述べた職場(整然とした清潔な厨房)は
その結果として、生まれるのだ。
…どうかな?

さて、料理の世界の講釈はこれくらいにして

これに類することを厨房の外のこととして考えてみる。

当然のことながらアナタがプロならばアナタにも
「親方の包丁」に類するものは必ずあるし、
「包丁を研ぐ」に値する行為もあるので
思い当たらないんだとしたら探してほしい

それでも見つからないときは、
アナタは自分をプロだと勘違いしていただけのことなので
安心してほしい。

さて、ここまで読み進めてくれたアナタに質問をひとつ

「商売道具、手入れしてますか?」

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コメント

> 「商売道具、手入れしてますか?」

ぎくり。……さぼってるかもな~。

投稿: 華氏451度 | 2006年2月26日 (日) 20時34分

華氏451度san...

お互いがんばりましょい。

投稿: 朱色会 | 2006年2月27日 (月) 08時22分

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