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『ASAhIパソコン』に捧ぐ…

…最初にやって欲しいことと、
 今回少しだけ長いと、断わりをいれておく。

もし、今読者のみなさんに 390円 お金にヨユウがあり、
パソコンについて、何らかの興味があるのならば、
すぐにそれを握り締め、コンビニにダッシュだ。

本日朝、ナントはなしに駅の売店にて
雑誌を物色していたら、いつもの装丁とちがう
ASAhIパソコン』が目に入った。

普段は手に取りもしない。なぜなら、最初から
この雑誌の読者層のターゲットに私自身が含まれていないからである
No.399
とかかれたその雑誌は、一面【真赤】バックにコメントが書いてある。
「!△終了しますが、本当によろしいですか?Yes/No」
非常に目立つ。

Ixy_digital_50_001

気になってとってパラパラみたら
休刊とある。

「えっ、またか…」

つい最近も「PC USER」
という老舗のパソコン雑誌が休刊(他誌と統合)した
そのときは
「えっ、ナンで…」
と驚いた。いつも買っていたので人気雑誌と思っていたからだ。
内容もそんなに悪くない。ひいきにしていた記事(デジカメ)があったので
かなりショックだった。がっくし。

…最近、パソコン関連の雑誌休刊・廃刊が相次ぐ。

確かにインターネットに押されているだろうなと
思っていたが、企業が元気を取り戻しているから
広告料でなんとかやっているだろう
くらいにしか思っていなかったのだ

これだけ立て続けだと気になる。
購入し、読んで驚いた最終号の中身は、
ライター(ものかき達)による業界の
「【血】のココロの叫び」が網羅されているのだった。

表紙が【赤】なのがひとつ合点がいった。

内容については割愛するが、買って損はない内容と受け止めた。
とくにライター達のこれがサイゴとばかりの
【赤】裸々な告白や何も恐れない主張はココロをうつ。

こんなに面白い雑誌だったのか!!
いや、それなら休刊に追い込まれたりしないな
潜在能力が全て開放されたのだろう

編集長も、「これでサイゴだから…」ということで
なんの呪縛・制限・介入もかけなかったにちがいない。
…したがって、誤字もある

『18年か…ジュウハチネン。』

パソコンでいうとこの年月は
パソコンがよちよち歩きをはじめ、今のように私たちになくてはならない
ものへ変化する全ての時間を包含する。

本誌冒頭特集記事の中にも歴史の記載があったが、
ジブンとパソコンの関係とそのとき産業・社会情勢を反芻でき
ページは少ないものの、ばつぐんのできだ。

特筆すべきは巻末へ続くライターたちの「サイゴの声」だ。
そのなかでも、最終号最期のコラム
p116 のライターの最期のことばは
ライターとしての業をまとめて述べており
読んでいる私達にまで哀しさ・空しさがつたわる。
また、p84のコラムリストの記事も
雑誌はこれからどうあるべきかの提案として
面白さを加味しつつ読める。

…産業ジャーナリズムに携わる難しさを連綿とつたえる記事
に埋め尽くされている本誌は、390円以上の価値がある。
是非、読者の皆さんにはこの情報を逃さないでほしいといっておこう。

…さて、事実の通知とお願いはこれでおわりであるが
本件の事実について考察を述べておこう。

まず、キーワード整理から。

「出版業」
「モノカキの誇りと立場」
「休刊・廃刊」
「インターネット」
「情報の普遍性と一過性」
「アプリケーション」

日本ほど多くの種類の雑誌を定期刊行している業態は
世界でも少ないのではないか

クルマ・ファッション・PC/インターネット など
コンビニや書店には多くの種類の雑誌が置かれ、シノギを削っている
出版業を営む企業の収入は、雑誌の売り上げと広告料だ
その割合がどうかはしらないが、それにより、雑誌の情報源の取材費用
雇っている編集員(長を含む)の給料・本を作り店先に並べる製造・流通コスト
外注ライターへのギャラ・回収(返本)されたホンの廃棄費用などが
捻出されるのだ。
厳しい世界だとは思う。その厳しさを飲み込んで
(楽しそうに)雑誌をつくり、売っているわけだ
また、定期発行物であるから、締め切りも過酷だ。
おそらく入稿の時間管理は相当なものだと想像がつく

そうやって苦労して作り、読者に提供した情報も、
数日後には泡のように商品価値のない情報になってしまう
つまりPCの情報は、他の情報ソースと比べても
大間のマグロより鮮度が重要な商品なのである。

クルマやファッションよりも早く製品やインフラの商品価値が
下がってしまう。まさにいつ果てるともしれないまわる台車の上の
ハツカネズミのように記事と格闘しているにちがいない。
…でそんなに苦労しても手元にのこる利潤はすくない。

もともとモノカキを志すモノにとっては
「ヒトより早く事実を捉え、伝えること」が生きるエネルギーの源泉
であるとは思うのだが限界はあるし
出版業とて一般の企業とかわらない
【赤】字では営業活動を続けていくことができないのである。
そう、全ての雑誌発行物は
それにかかわる人間たちの、『【血】と汗と涙と鼻水の結晶』なのである。

さらにいまの出版業を悩ませているのが
めしの種であるインターネットとの競合だ。

たとえば私は『Nikon D70』のユーザ(ちょっとだけ自慢)なのだが
この件について新しい雑誌から有用な情報を得ようとしても
もうでてこないのである!!
なにも初代IXY DIGITALの情報を売ってくれとはいわないが
『雑誌たち』は、あとからあとからあとからあとからあとから
でてくる新製品に御執心で、もうついぞD70のことなどワレ関せずと
微塵も情報提供してくれない。

しょうがないので Google や Goo blog などで既存ユーザの情報(無料)
を得ることにしている。タダだからそうしているのではない
それに値する情報だったらカネは払うのに、そういう口がないので
そうしているのだ。このような潜在ユーザは多いと思うので
是非、既存の情報提供企業は検討ねがいたいのである。

あと、この際どうしてもいっておきたいことがある
これはASAhIパソコンに限ったことではないが、ライターの『質』だ
素晴らしいライターがいることは認める。しかし、
『なぜこんな記事にカネを払わねばならんのだ。
 アソコだけ切り売りしてくれないものか』と思うことは多々ある。

たとえが悪いかもしれないが
(漫画のように)価値のある情報は単行本になっても商品価値は下がらない
…というか逆に上がるだろう。
しかし、そこに選別されなかった情報は、
申し訳ないが普遍性がない情報なので、極端な話、
雑誌(店先)にならんだとたんに陳腐化する情報なのだ

…今回のASAhIパソコン最終号は390円以上の価値がある。
この廃刊にちかい事態の休刊について、長を中心にもういちど
『もとめられる、カネがつく情報』を提供する方法について
結論をだしていただき、有効・有益な『ap』として
よく考えられた、アッといえるものが再登場されることを期待してます。
敢えて400号というテープを切らなかった英断にも拍手します。

蛇足になるかもしれんが、間違っても、マチガっても
『月刊VAIO』とか【Weekly ThinkPAD】とかつくるなよ。買わんぞ。
製品を選ぶのは私達消費者の仕事だ。その責任の範疇に入ってくるのではなく、
本来のジャーナルの本質から答えを出してほしいな。

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コメント

思い入れのある雑誌だけに、休刊も感慨深いものがありました。
パソコン雑誌、たしかに売れていないですね・・・。

投稿: bunkasaba | 2006年3月 3日 (金) 00時57分

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» 終了しますが、本当によろしいですか?(ASAhi パソコン最終号) [おすぎとピース]
またお逢いいたしましょう。  これが本当の最後になりました。ASAHIパソコンは [続きを読む]

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