2つの運動会
まだ、声が鼻声なので外に出歩かずにブログのトラッキングして
時間をつぶしていたら、腹が減ってきた。
コンビニで腹のたしを買おうとしてドアを開けたら、
珍しく千葉でもいい風がふいている。
それとともに、子供たちの歓声が風にのって流れてきた。
「おっ、運動会か…この時期にやるんだ。」
近くの小学校だ。既に佳境。トリのリレーが行われている。
鳴り物は音楽を含めて禁止のようだね。
住民への配慮だろうか。歓声が耳に心地いい。
ーー
運動会というと思い出すのが組合の運動会だ。
既に後輩Tに書記長をまかせ、OBとして隠居であった私に
スタッフとして参加してほしいという。当然のごとく承諾。
なぜ、運動会なんだとう私の問いに、
組合というよりは社員に閉塞感があり、
運動会をおこなうことで連帯感を強化したり、
閉塞感を払拭したいという。なかなかやるじゃないか。後輩。
ところでほとんどの方は運動会への参加というと
朝の開会式から競技スタート⇒お昼のべんとう⇒
午後メインの棒倒し⇒閉会式で散会という人がほとんどだろう。
しかし、本当はスタッフの並々ならぬ準備があり、
大会がおわっても、大会設備の撤去や業者への引き取り、
あるいはスタッフにより慰労会の開催やそれも含めた
会計処理などの残務がある。
このことは、あまり知られていない。
運動会に大人が投資する人的パワー全体を10とすると
準備や残務に7の力がつかわれている。
大会当日は大変おおくのプレイヤーが運動を楽しむ。それは
上で述べた影の支えがあってこそのものなのだ。
ほとんどの人は、閉会式もそこそこに広げていた
レジャーシートを畳み、泥だらけになったわが子と思い出を
共有しながら帰途につく。
大会スタッフは、それを横目でみながら、大会でつかった施設の
解体や掃除を黙々とやるのだ。
このブログを読んでいる人で
小学生で、そのような仕事に呼ばれてしまい
なんでオレだけやらされるんだとくさってしまった君。
くさる必要はない。おめでとう、君は「大人」の仲間入りだ。
運動会の美味しいところは、リレーの選手に選ばれ、かわい子ちゃん
から黄色い声援をうけることだが、もちろんそれは 子供の世界 の
中でのことだ。
運動会を開催し、サポートする大人の仲間入りができた。
そのこと自体を経験できたことを素直によろこぶべきだ。
運動会においては
閉会式で帰る⇒子供とおなじあつかい
閉会式で帰らない⇒大人とおなじあつかい
となる。
組合で運動会をおこなったのは、それが最期だった。
なぜならば、運動会をおこなう運動場そのものが売りにだされ、
なくなってしまったのだ。
いまは、北欧を代表する総合家具専門店が建っている…。
あのときの社員のこどもたちや親の笑いにかこかれた運動会
はりきりすぎて怪我をしてしまう社員がいるほどだった。
初夏の暑い日だった。太陽がまぶしく輝いていた。
そして、運動会を楽しむすべての人間の顔と体が輝いていた。
大会の準備スタッフも2層構造となる。
つまり、企画⇒準備⇒実施⇒撤収⇒総括 と全てにかかわる
コアスタッフと、大会前日からお疲れ会まで参加する
人手として機能するサブスタッフである。
サブスタッフの慰労をかねた大会が完了したあとのお疲れ会
その準備や会の進行、また、後片付けこれもコアスタッフが行う
サブスタッフが去り、コアスタッフのほとんどが帰途につき
残るは私と後輩とお目付けやくのご隠居役だけとなった。
「お疲れさま」感慨深くハグをかわし、最期の解散をした。
ーー
コンビ二で遅い昼飯を物色していると、
まだ興奮冷めやらぬ児童と、
応援につかれぎみの親子が満足げにどやどやはいってきた。
「運動会は、楽しめましたか?『お子様方』。」それだけいうと
私はそそくさと店をでて、かすかに見えるグランドに目を凝らした。
あははは。やっぱりいる。不満そうに竹ぼうきでもたもた履いている君。
いつかは、君も気がつくだろう。その「ほうき」の意味をね。
…静かな優しい風が、また額を駆け抜けていった。
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