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武士の一分(いちぶん)

鑑賞記:「雨が降り、風が吹き、雷が鳴り。そして、風は止んだ。」

「オレ演じる方。」
「ぼくは撮る方。」

二人の男は、まるでレールの2本の無限軌道のように
同じ道を異なる役割で、長い年月をいっしょに歩いてきた。
『これほどに【ひと】を撮れるのか!』と
終幕のとき、ひとしきりためいきをつくことに抗えなかった。

山田洋次と、そして笹野高史。

映画をやることを志し、そしてそれぞれの役割の【全う】の
集大成といえる映画が、昨日からロードショーされている

この映画の本当の主人公は誰なのか?

それを捉えた観客は、この映画がだれにスポットを
あてたものなのか、何を表現しようとしていたのかに
到達することができるだろう。

山田監督を初めとする優秀なスタッフと
熟練なる俳優人のあうんの呼吸を感じる作品に
仕上がっている。負けじと若手演者の溌剌なる演技もいい。

xxのxxについては、
さまざまな映画評論がWeb上でも発言されているので
そちらをご覧いただきたい

http://blog-search.yahoo.co.jp/search?p=image:on+%C9%F0%BB%CE%A4%CE%B0%EC%CA%AC%20%CC%DA%C2%BC%C2%F3%BA%C8

この映画の主題は、
【助け】と『許し』ということになろうか?
終幕後にほとんどの映画について結を見出す朱色会もまだ
これだろうという確定したものを捉えていない
不思議な感覚の終幕であり、幕後だった。

・・・『夫』を守っていくことは、
 <きれいごと>だけでは許されない。

心にのこる、現代のわれわれにも通ずるシーン。
毒見により光を失った侍に、拝謁した殿が、たったひとことだけ。
「大儀」
…うーん。そんなものかもね。しかし、そのアトは・・「ご覧の通り。」

あの時代のリアリティを感じるのは
お殿様への食事のため、たくさんの人々がいろいろな役目で働く姿。
「いくさ」のない世の中で、どうやって侍は食べていったのか?
お城を維持するべくいろいろな役目がつくられる。
これって、『今』の世にもいくつかあるんじゃないかな。

一見ハッピーエンドに見えるこのお話も、
この後、この家に同じようなことがおきないとは限りない
安寧な日々ではなく、またおきることについていちいち
対応していく日々が続いていくのだ。人がそこにある限り
それは続く。

風が止むのは、
風が吹くことを人々に知らしめるためである
ーー朱色会ーー

・・・誰にも、武士の一分(いちぶん)は存在する。
…そう、このブログを読んでいる貴方の心の中にも。

それを大切にしてほしいと思う。

評価:84点

山田節は、健在。それにあらたなる様々なスパイスが加えられ
人間の才能というものが、いろいろと堪能できる良品である。
ご覧ください。

・・・外は、まだ風が強く吹いている。。

・・・山田洋次監督。「アナログ」に拘ってくれネ!
せば。

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